保健所・医療機関へのFAX送信ガイド (診断書・検査結果・紹介状)

医療機関に関わる書類をFAXで送る場面は、意外と多く残っています。かかりつけのクリニックから「紹介先の病院にこの紹介状をFAXで送っておいてください」と頼まれた、会社の総務から「診断書はFAXで先に送ってください」と言われた、保健所の担当者から「先ほどの検査結果を担当課にFAXしてください」と指示された、といったケースです。

先にいちばん大事なところをお伝えします。医療機関宛のFAXは、送る前に必ず送り先に電話で受付可否と直通のFAX番号を確認してください。診断書・検査結果・紹介状には氏名・生年月日・症状・検査値などの個人情報が載っています。1桁違いで別の相手に届いてしまうと取り返しがつかないため、番号の再確認と担当者名の明記が、医療関係のFAXでは最初のチェックポイントになります。

ここでは、保健所・病院・診療所・会社の総務窓口それぞれについて、FAXで送れるものとそうでないもの、宛先の確認方法、送付状の書き方、そしてFAX機がないときの現実的な送信手段までを整理します。

医療機関宛のFAXは「受付側の運用」で決まる

医療機関宛のFAX送信でつまずきやすいのは、書類の種類よりも、送信先の受付運用が施設ごとにまちまちだという点です。診断書1枚をとっても、A病院はFAX可、B病院は原本郵送のみ、C病院は医療連携室経由でFAX可、というふうに割れます。

したがって「医療機関へのFAX」を考えるときは、書類の種類 (診断書・検査結果・紹介状) と送信先 (保健所・病院・診療所・会社) の組み合わせで運用が決まる、と捉えるのが実務的です。ここから先の場面別ガイドも、この組み合わせを軸に整理していきます。

送信前に確認する3点 (共通)

  • 受付可否: 「FAXで送っても差し支えありませんか」を電話で確認する
  • 直通FAX番号: 代表FAXではなく担当課の直通番号を口頭で確認する
  • 宛先担当者: 「〇〇科 〇〇先生」「医療連携室 〇〇様」「総務課 〇〇様」まで書き切れるだけの情報を控える

この3点さえ押さえておけば、以降の場面別の判断はぐっと楽になります。

保健所にFAXで送れるもの・送れないもの

保健所は都道府県・保健所設置市・特別区が設置する地域保健の拠点で、感染症対策・食品衛生・母子保健・精神保健などを担当しています。保健所ごとにFAXの運用は違いますが、大枠は次のとおりです。

FAXでは送れないもの (原則、電子申請または書面)

  • 感染症発生届の本届出 (原則としてHER-SYS等の電子経路)
  • 各種営業許可申請の本申請 (窓口・郵送)
  • 母子健康手帳の交付申請 (窓口原則)
  • 死亡診断書・死体検案書の原本 (原本必要)

FAXで受け付けてもらえる可能性があるもの (管轄保健所の運用による)

  • 健康相談・保健指導への回答書、追加の申告事項
  • 事前照会 (「この書き方でよいか」の確認)
  • 事業者向けの照会・追加資料 (原本は別途)
  • 担当者から個別に「FAXで送ってください」と指示があった書類

「送れる可能性がある」と書いているのは、保健所ごとに運用が違うためです。管轄の保健所は 厚生労働省 全国保健所長会 保健所一覧 や、各都道府県・市区の公式サイトから探せます。代表電話に問い合わせて「〇〇の件でFAXを送りたいのですが、担当課の直通FAX番号を教えてください」と案内をもらうのが確実です。

病院・診療所への紹介状は「医療連携室」宛が原則

かかりつけ医から専門病院や総合病院への紹介状 (診療情報提供書) をFAXで送る場合、多くの中規模以上の病院では 医療連携室 (地域医療連携室・患者支援センター) が窓口になります。医療連携室は、他院からの紹介患者の受け入れ調整と、退院後の逆紹介・書類のやり取りを一手に引き受ける部署で、専用のFAX番号を持っていることが多いです。

紹介状 (診療情報提供書) のFAX送信の流れ

  1. 紹介先の病院ホームページで「医療連携」「地域連携」「患者支援センター」のページを探し、案内されているFAX番号を確認します
  2. FAX番号が公表されていない場合は、代表電話で「紹介状をFAXでお送りしたいのですが、医療連携室の直通FAX番号を教えてください」と依頼します
  3. 送信票 (送付状) に「診療情報提供書在中」「〇〇科 〇〇先生宛」「送信元:〇〇クリニック 〇〇 (医師名)」を明記します
  4. 送信後、医療連携室に電話で「先ほどFAXでお送りしました。届いておりますでしょうか」と受領確認をとります

小規模な診療所・クリニック宛の場合は、医療連携室が存在しないため、代表FAXに送るか、そもそもFAX受付をしていないことがあります。送信前の電話確認が特に重要です。

会社の総務・産業医への診断書は「宛先の指名」がすべて

体調不良や休職に絡んで、会社の総務課や産業医宛に診断書をFAXで送るケースも多くあります。この場面のFAX事故は、宛先の指名不足から起きるものが目立ちます。

  • 宛先を必ず個人名まで書く: 「〇〇株式会社 総務課 御中」だけだと、共有FAX機でどの書類か分からず放置されがちです。「〇〇株式会社 総務課 〇〇様」「〇〇株式会社 産業医 〇〇先生」まで書き切ります
  • 封書・親展の趣旨を送付状に書く: 診断書には病名・症状・就業制限などのセンシティブ情報が含まれます。「親展 (病名記載あり)。開封は宛名の方に限る」と1文入れておくと、共有プリンタでの誤閲覧を防げます
  • 原本の扱いを事前に確認する: 会社によっては「原本を郵送で必要」「FAXの写しで可」の運用が分かれます。人事担当者に「原本の郵送も必要ですか」を事前に必ず確認します
  • 送信結果を口頭で追いかける: FAXで済ませたつもりでも、担当者に届いていないと欠勤扱いが継続する場面があります。送信後に電話で「先ほどFAXでお送りしました」と一言添えるだけで、多くのトラブルを防げます

医療情報を含むFAXで気をつける個人情報の取り扱い

診断書・検査結果・紹介状には、氏名・生年月日・住所・保険証番号・症状・検査値など、医療機関以外に見られたくない情報が集中しています。FAX送信では次の点に気を配ります。

  • FAX番号は目視で二重確認する: 番号入力後、送信ボタンを押す前にもう一度、桁数と数字を声に出して確認します。医療機関宛のFAXは、1桁違いで別の会社や自宅に届く事故が最も怖い運用です
  • 共有FAX機に置きっぱなしにしない: 送信元でも受信側でも、共有FAX機の排紙トレイに医療書類を置きっぱなしにしないのが原則です。送信後は原稿を必ず持ち帰ります
  • 送付状で内容を暗示しすぎない: 送付状の件名欄には「診療情報提供書」「診断書」など内容を書きますが、症状・病名などの具体は本文側に留めます。トップシートは受付を経由するため、詳細を第三者の目に触れさせない配慮です
  • 送信レポートは処理完了まで保管する: FAX機の送信結果と原稿の控えは、書類の処理が完了するまで手元に残します。「送った・送っていない」の争いになったときの根拠になります

医療機関宛FAXの送付状 (送信票) に書くこと

医療機関宛のFAXでは、送付状の書き方で受け取り側の処理速度が変わります。次の項目を1枚目に必ず入れてください。

  • 送信日
  • 宛先: 「〇〇病院 医療連携室 〇〇様」「〇〇保健所 〇〇課 〇〇様」など、施設名+部署名+担当者名
  • 送信元: 送信者氏名、連絡先電話番号 (問い合わせ時に折り返し可能な番号)
  • 件名: 「診療情報提供書 (患者:〇〇 生年月日:〇〇)」など、届いた側がひと目で紐付けできる情報
  • 総枚数: 送付状を含めた総枚数 (例:「送付状を含め全3枚」)
  • 備考: 原本の郵送有無 (「原本は本日郵送予定」「原本は不要と確認済み」など)

送付状のフォーマットに迷ったら、FAX送付状の書き方ガイド と、印刷してすぐ書き込める A4送付状テンプレート を用意しています。医療機関宛でもそのまま使えます。

送る前の最終チェックリスト

医療機関・保健所・会社宛にFAXを送る前に、次を確認してください。

  • FAX番号: 電話で確認したばかりの直通番号か。古いホームページのキャッシュから拾った番号を使い回していないか
  • 宛先: 施設名+部署名+担当者名まで書き切っているか
  • 件名 (用件): 患者名・生年月日・診療科など、届いた側が本人と書類を突合できる情報を件名に入れているか
  • 枚数: 送付状を含めた総枚数を明記しているか
  • 原本の扱い: 原本の郵送が必要か、FAXの写しで完結か、事前に確認済みか
  • 個人情報: 症状・病名・保険証番号などが、宛先違いで届いても被害が広がらないよう、送付状トップに具体は書かない

送信後は、電話一本で「先ほどFAXでお送りしました。届いておりますでしょうか」と受領確認をとります。医療機関の共有FAX機は、担当者の手元に届くまで時間差があります。締め切りや診療予定と紐づいた書類ほど、送信レポートだけに頼らず口頭確認を挟んでおくのが確実です。

FAX機がないときの送信方法

自宅にFAX機がない場合、保健所や医療機関へFAXで送る現実的な手段は2つあります。

1. コンビニのマルチコピー機

セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートのマルチコピー機からFAXを送れます。国内向けは1枚数十円で、24時間営業の店舗が多く、深夜や休日の締め切り前でも動けるのが強みです。

書類を自宅で印刷・押印してからコンビニに持ち込み、マルチコピー機で1枚ずつ差し替えながら送信します。診断書や紹介状のように個人情報を含む書類を店内で扱う場面が発生するため、他のお客の視線と、機械上の原稿の置き忘れに注意してください。手順の詳細は コンビニFAXの送り方 を参考にしてください。

2. オンラインFAX (PayPerFax)

もうひとつは、自宅のパソコンやスマートフォンから直接送る方法 です。書類をPDFにしてアップロードするか、押印済みの紙をスマホで撮影してPDF化するだけで、そのまま保健所・病院・会社のFAX番号に送信できます。コンビニに行く必要はなく、深夜や悪天候でも家から送れます。他人の目に触れる場所を経由しないため、医療情報の取り扱いという観点でも、コンビニより一段落ち着いて作業できます。

PayPerFaxで保健所・医療機関へ送る

PayPerFaxは、契約不要・月額料金不要の従量課金制オンラインFAXです。診断書1枚をFAXしたいだけ、紹介状を1回送るだけ、といった単発利用に向いています。

料金は、最初の3ページが$2、追加ページは1ページあたり$0.75です。アカウント登録も、月額契約も、必要ありません。書類のPDFをアップロードし、送信先のFAX番号を入力するだけで送信できます。送信結果はブラウザに表示され、送信レポートPDFをダウンロードして手元に残せます。送信結果の見方は FAX送信確認 を参考にしてください。

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よくある質問

かかりつけ医から紹介状を病院にFAXしてほしいと言われました。どこの番号に送ればよいですか?

紹介先の病院に 医療連携室 (地域医療連携室・患者支援センター) がある場合は、その直通FAX番号に送ります。病院ホームページの「医療連携」「地域連携」ページに掲載されていることが多いです。ホームページに番号がない、または小規模な診療所宛の場合は、代表電話に「紹介状をFAXで送りたい」と電話をかけて、担当窓口の直通FAX番号を確認してください。

会社の総務から診断書をFAXで送るように言われました。原本は郵送しなくてよいですか?

会社ごとに運用が分かれます。「FAXの写しで可」の会社もあれば、「原本を追って郵送」を求める会社もあります。診断書のFAX送信を指示された時点で、担当者に「原本の郵送も必要ですか、いつまでにお送りすればよいですか」を必ず確認してください。就業制限や休職の判定に関わる書類のため、あとから原本を要求されると復帰が遅れる原因になります。

保健所に感染症の発生届をFAXで送ってもよいですか?

原則としてFAXでは受け付けていません。感染症発生届は現在、医療機関から HER-SYS などの電子経路で提出するのが原則です。ただし、担当保健所から個別に「先にFAXで送っておいてください」と指示された場合や、システム障害等の非常時対応でFAXが指定される場面はあります。管轄保健所の指示に従って対応してください。

検査結果をセカンドオピニオンの病院にFAXで送りたいのですが、注意点はありますか?

検査結果には氏名・生年月日・検査値などが載っています。まずセカンドオピニオン先の病院の医療連携室または相談窓口に電話し、「〇月〇日にセカンドオピニオンで受診予定、事前に検査結果をFAXで送りたい」と伝えて、直通FAX番号と宛先担当者を確認してください。送付状に「セカンドオピニオン事前資料 (患者:〇〇 生年月日:〇〇)」と明記し、送信後は電話で受領確認をとります。原本 (フィルム・画像データ等) は受診日に持参するのが基本です。

診断書をFAXで送ると、個人情報の観点で問題はありませんか?

宛先番号を電話で直接確認し、担当者名まで書き切ったうえで、送信後に受領確認をとる運用であれば、実務上は広く行われています。ただし、共有FAX機での放置や、宛先1桁違いのリスクは常にあります。送信票に病名など具体の症状は書かず、本文側に留めておくと、万一の宛先違いでも被害が広がりにくくなります。会社宛の場合は「親展。宛名の方のみ開封」の趣旨を送付状に添えるのが実務上の定番です。

保健所・病院のFAX番号一覧サイトを見つけました。そこの番号に送ってよいですか?

古い番号が残っていることがあります。組織改編・移転・番号変更で、公表番号が変わるのは医療機関でも珍しくありません。非公式サイトの番号一覧は「あたりをつける」用途にとどめて、送る前に必ず一度、代表電話または公式ホームページで最新のFAX番号を確認してください。医療情報は宛先違いが最も怖い運用のため、この一手間を省かないのが安全です。

まとめ

保健所・病院・診療所・会社の総務にFAXで書類を送れるかは、書類の種類と送信先の運用で答えが変わります。目安として、次のように整理しておくと迷いにくくなります。

場面 送信先の目安
紹介状 (診療情報提供書) を病院へ 医療連携室 (地域連携室) の直通FAX
検査結果を専門医・別病院へ 医療連携室または担当診療科の直通FAX
診断書を会社の総務・産業医へ 総務課または産業医宛 (個人名まで明記)
保健所への事前照会・追加資料 担当課の直通FAX (代表FAX不可)
感染症発生届の本届出 原則不可 (HER-SYS等の電子経路)
各種原本 (死亡診断書・許可申請等) 原本必要 (窓口・郵送)

医療関係のFAXは、送信先の運用が施設ごとに違うのが最大の特徴です。書類の種類だけで判断せず、送る前に電話で「FAXで送ってよいか」と「担当課の直通番号」を確認し、送信後には受領確認の電話を必ず入れる、この2つを習慣にしておけば、多くの事故を防げます。

FAX機を用意する必要はありません。PayPerFaxなら、書類のPDFをアップロードするだけで、パソコンからでもスマートフォンからでも、保健所・病院・会社のFAX番号に送信できます。

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