FAXはまだ使われている?日本で今も残る理由

世界はFAXを過去のものと見ていますが、日本では公立小中学校の77%、中央省庁、医療現場で今もFAXが使われて…

2021年、日本政府がFAXの廃止を打ち出したとき、約400もの省庁や部署から正式な反対意見が出されました。フロッピーディスクは2024年に消えました。FAXは、残りました。

ここでは、世界がFAXをどう見ているか、日本のどこでFAXが残っているか、そしてなぜ残ったのかを整理します。最後に、個人で「今すぐFAXを送りたい」ときの選択肢にも触れます。

世界はFAXを「過去のもの」と見ている

多くの国でFAX機はオフィスから消えました。電子メールやチャット、クラウドでの書類共有が主流になり、FAXを置いている会社のほうが少数派です。

それでも完全に消えたわけではありません。アメリカでは病院や法律事務所、ドイツでは行政機関、イギリスでは医療機関で、今も日常的にFAXが使われています。共通しているのは「規制と現場のやり取りの流れ」です。誰がいつ何を送ったかを確実に記録できる手段として、FAXは長く仕組みの一部に組み込まれてきました。

その中で、日本は「FAXがもっとも生き残っている国」として、たびたび名前が挙がります。

日本でFAXが残っているのはどこか

朝日新聞の2024年の報道によれば、全国の公立小中学校26,000校以上を対象にした文部科学省の調査で、77.1%の学校が今もFAXを使っていることがわかりました。前年度の95.9%からは減ったものの、4校に3校はまだFAXが動いている計算です。教育委員会への報告、地元業者とのやり取り、他校との連絡。そのいずれにもFAXが使われています。

中央省庁も同じです。RNZとCNNの報道によれば、2021年に政府がFAX廃止を打ち出した際、約400の省庁や部署から正式な反対意見が提出されました。フロッピーディスクの廃止は2024年7月に完了しましたが、FAXは「やめましょう」と言って簡単にやめられる対象ではなかったのです。

医療現場も例外ではありません。新型コロナウイルスの流行初期、2020年5月まで、保健所は手書きのFAXで陽性者の情報を国に報告していました。あまりに非効率だと医師から指摘され、ようやくオンライン入力に切り替わったほどです。

中小企業の現場でも、注文書や見積書、納品書のやり取りにFAXが使われ続けています。取引先から「FAXで送ってください」と言われれば、こちらだけメールに切り替えるわけにはいきません。

なぜ日本ではFAXが残っているのか

理由は1つではなく、いくつかの要素が重なっています。

印鑑文化との相性のよさ。 書類に押された印鑑をそのまま相手に送れる手段として、FAXは長く便利に使われてきました。電子印鑑やクラウド契約が広がってきたとはいえ、書類に印鑑を押して送るという仕事の流れは、まだ多くの組織に残っています。

手書きが扱える。 医療記録、教育現場の連絡、注文書の備考欄など、定型のフォームにおさまらない情報は、紙に手で書くのが今でも一番速いことがあります。FAXは手書きをそのまま運べる、数少ない通信手段です。

組織が大きいほど変えにくい。 何十年もFAXを中心に組み立てられてきた仕事の流れを切り替えるのは簡単ではありません。書類のフォーマット、受発注のシステム、社内ルール、取引先との取り決めまで、すべて見直すことになります。テキサスA&M大学のジョナサン・クーパースミス教授は、CNNの取材に対し、組織が大きいほど変化が難しいと指摘しています。

閉じた通信への安心感。 インターネット経由ではなく、電話回線で1対1で送るFAXは、「外に漏れにくい」という印象を与えます。実際の安全性は別の話ですが、組織の判断材料としてはまだ働いています。

フロッピーは消えた、FAXは残った

日本がフロッピーディスクの全廃を達成したのは2024年7月でした。1,000以上の規制から「フロッピー」の文字が削除され、ようやく終わった、というニュースが世界を駆けめぐりました。

フロッピーは「記録媒体」でしたが、FAXは「業務そのもの」になっていた、という違いがここに表れています。日本のデジタル化を研究する専門家は、西側諸国の水準に追いつくまで5〜10年はかかるとみています。FAXは、その最後のハードルになる可能性が十分にあります。

個人で「今すぐFAXを送りたい」ときの選択肢

ここまでの話は組織の話でした。一方で、個人が「役所からFAXで送ってほしいと言われた」「契約書を急いで送り返したい」と困ることもあります。

選択肢はおおむね2つです。

  • コンビニのFAX。 ローソン、セブン-イレブン、ファミリーマートの一部店舗でFAXが送れます。手軽ですが、店舗まで行く、営業時間に間に合わせる、1枚ずつ機械を操作する、という手間がかかります。
  • オンラインFAX。 パソコンやスマートフォンから、登録なしで1通だけ送れるオンラインFAXサービスがあります。コンビニまで行けない夜間や休日でも送信できます。

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「FAXはまだ使われている?」という問いの答えは、日本ではしばらく「はい」のままです。そうしたとき、いざというときに困らない送り方を1つ知っておくと安心です。

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