03FAXを試そうか迷っている方に、月額¥1,280や30秒¥20の単価より先に知っておいてほしい仕様が3つあります。解約を申し出た月からさらに2ヶ月分の月額料金が発生すること。年間プランを途中で解約しても残月分の返金はないこと。そして、一度発行されたFAX番号は解約後に自分でも他の契約者でも再発行できないこと。この3点は03plus解約FAQに明記された公式仕様で、料金の高い安いより先に契約の重さを決めます。
03FAX自体は、株式会社グラントンが提供するIP電話サービス「03plus」のオプションFAX機能です。03plusは03始まり (東京) や06始まり (大阪) のIP電話番号を発行するクラウド電話サービスで、FAX機能はその契約に付帯する形で追加できます。数字だけを追うと月額型のオンラインFAXに近い印象を受けますが、料金の仕組みも解約の実務も電話サービスの契約構造をそのまま引き継ぐため、PayPerFax のように送信のつど支払う形とは実利用の負担が違ってきます。
このページでは、03FAXの料金と契約手順、冒頭で触れた解約時の実務までを、03FAX料金ページと03plus解約FAQに沿って整理します。数字は2026-08-03時点で公開されているものです。時期によって改定されることがあるため、契約直前には各ページで確認してください。

料金モデル
料金は月額の基本料と、送信のたびの30秒単位の従量課金の二段構えです。03FAXを使うための最低限の月額構成は次のとおりです。
- 初期費用: ¥5,000 (Basic IDの発行)
- Basic ID使用料: ¥900 / 月
- FAX番号使用料: ¥380 / 月 (番号1つあたり)
- 送信従量課金: ¥20 / 30秒 (国内送信)
- 受信料金: 追加なし (Basic IDに含まれる)
これに加えて、必要に応じて以下のオプションが選択できます。
- 500ページ送信バンドル: ¥1,000 / 月 (500ページ分の送信が定額に含まれる)
- FAXアダプター機器: 購入 ¥11,300 (初回のみ) / レンタル ¥650 / 月
- 追加FAX番号: 番号1つあたり¥380 / 月
FAXを送らなくても、Basic IDとFAX番号1つで月額¥1,280が固定費として発生します。送信のたびの¥20 / 30秒は、A4 1枚の送信時間 (回線状態と紙面の情報量で1〜2分程度) を換算すると、1枚あたりおおよそ¥40〜¥80になる幅の料金です。定額の月額基本料の上に、30秒単位で刻まれる従量課金が乗る二段構えの料金体系だと理解しておくのが正確です。
総額
IP電話サービスとあわせて使う前提の料金モデルなので、月に数枚しか送らない用途では月額の固定費が実質単価を押し上げます。以下は、A4片面1枚を国内へ送るケースを想定した比較です。03FAXはBasic ID + FAX番号1つの最小構成 (¥1,280 / 月) を基準に、送信30秒あたり¥20を1枚60秒 (¥40) 換算した目安を加えています。PayPerFaxの料金は利用国と通貨に応じて自動で表示されます。
| 月あたりの送信枚数 | 03FAX (月額の目安) | PayPerFax (1通あたり) |
|---|---|---|
| 1枚 | ¥1,320 | $2 |
| 5枚 | ¥1,480 | 最初の3枚まで$2、追加ページ1枚あたり$0.75 |
| 20枚 | ¥2,080 | 送信ごとに$2 (1通が長い書類なら追加ページ料金が加算) |
| 50枚 | ¥3,280 | 同上 |
初期費用¥5,000は初回だけ発生します。500ページ送信バンドル (¥1,000 / 月) を追加すると、¥2,280 / 月の中で500枚まで送れるため、月100枚以上を継続的に送るなら1枚あたりの単価は下がります。一方、月に数枚以下の用途では、送っていない期間もBasic IDとFAX番号の固定費が毎月発生し、実質単価は表の目安より高くなります。
送信レポートは03plusのWeb管理画面から送信履歴として確認できます。相手先の受信機まで届いたかどうかの結果は履歴で確認する形になります。
送信までの時間
03FAXの利用手順は、Web管理画面から送信する場合と、アダプター機器を経由する場合で異なります。管理画面経由はアカウント作成と番号発行の後にすぐ使えますが、アダプター機器を選んだ場合は機器の到着を待つ工程が入ります。
Web管理画面から送信する場合の流れは次のとおりです。
- 03plusの申し込みページからアカウントを作成し、Basic IDを発行
- 初期費用¥5,000と月額料金を登録、FAX番号 (03始まりなど) を選択
- Web管理画面にログインし、原稿ファイルをアップロード、送信先のFAX番号を指定して送信
アダプター機器を使う場合は、購入 (¥11,300) またはレンタル (¥650 / 月) の手続き後、機器の発送と到着を待つ必要があります。機器接続後は事業所の既存のFAX機と同じ感覚で操作できますが、初回送信までの日数は郵送日数分だけ延びます。締め切りが目前のときは、この工程を織り込む必要があります。
対して、PayPerFax はアカウント登録なしでブラウザから直接送信でき、支払いは送信直前に済ませる形です。今すぐ1通だけ送りたい場合は、アカウント発行と機器手配の工程が要らない形のほうが向いています。
手軽さ
03FAXはPCとスマートフォンのブラウザから、03plusの管理画面を経由して利用できます。アプリの追加インストールは必須ではありません。原稿ファイルをアップロードし、送信先のFAX番号を入力する流れで、事務所の複合機に慣れている方でも操作の見当は付きやすいはずです。
一方で、次の点は他の月額型サービスと同じ「事前準備」が必要です。
- 個人情報・法人情報とクレジットカード情報を登録した契約者アカウントを作る
- 月額のBasic IDとFAX番号使用料が発生する契約を結ぶ
- 対応する原稿ファイル形式と1回あたりの上限枚数は、公式マニュアルで確認してから送る
アダプター機器を使うオプションを選ぶと、複合機や既存のFAX機からそのままFAXを送れる利点がありますが、機器の設置とネットワーク接続の作業が発生します。
透明性
月額の項目はすべて料金ページに明記されていますが、送信料金は30秒単位で計算される仕様のため、1枚あたりの実額は送信前には確定できません。料金ページに明記されているのは次の項目です。
- 初期費用¥5,000とBasic ID使用料¥900 / 月
- FAX番号使用料¥380 / 月
- 送信従量課金¥20 / 30秒 (国内送信)
- 500ページ送信バンドル¥1,000 / 月
- FAXアダプター機器の購入 (¥11,300) とレンタル (¥650 / 月) の選択肢
一方で、契約前に確認しておくと想定外の負担を避けやすい項目は次のとおりです。
- 送信の従量課金は30秒単位で計算されるため、1枚あたりの実額を事前に固定できません。回線の混雑状況・受信機側の応答時間・紙面の情報量で送信時間が変わるため、A4 1枚あたり¥40〜¥80程度の幅があると見込んでおくのが安全です
- 500ページ送信バンドルを追加しない場合、送信枚数に上限はありませんが、そのぶん月の送信量が読めない業務では月末請求のブレが大きくなります
- 法人契約の与信審査が必要になる場合があります (IP電話サービスのオプションのため)
「オプションを付けなければ月¥1,280」だけを見ると軽く見えますが、送信の従量課金が30秒単位で加算される点は、1通ごとの料金が固定されている月額型FAXサービスや、送信のつど金額が確定するPayPerFax とは事前の見通しやすさが違います。
国際送信対応
03FAXの料金ページには、国内送信の30秒あたり¥20という単価が掲載されています。海外送信の単価は同ページに掲載がなく、対応可否についての明示的な案内も確認できませんでした。海外の医療機関・大学・行政機関宛にFAXを送る用途がある場合は、契約前に公式サポート窓口で対応可否と単価を確認する形になります。
PayPerFax は130以上の国と地域の送信料金を料金ページで個別に公開しており、送信直前に金額が確定します。海外へのFAXを想定しているなら、この差は実利用で効いてきます。
成功時のみ課金
30秒単位で課金される送信サービスでは、送信の試行そのもの (接続にかかった秒数) が課金対象となるか、送達が確認できたときのみ課金となるかで、実質の料金負担が変わります。03FAXの料金ページには、送信失敗時の従量料金の扱いについて、目立つ形での説明を見つけられませんでした (2026-08-03時点)。回線ビジー・受信機側の紙切れ・番号違いといった理由で送達できなかった場合の課金の扱いは、契約前に公式サポート窓口で確認しておくと安心です。
対して、PayPerFax は、送達が確認できた送信にのみ課金する方針を明示しています。送達できなかった送信については、料金は発生しません。1通ずつの重みが大きい業務利用では、この違いは効いてきます。
解約方法
03plusの解約は、次の手順で行います (詳細は03plus解約FAQ)。
- 管理画面から解約申請フォームに進む、または所定の書面で解約を申し出る
- 解約申請の受付日を起点に、月末締めで2ヶ月後の末日が解約成立日となる
- 解約成立日までの期間は、Basic IDとFAX番号の月額料金が継続して発生する
たとえば、月の途中で解約を申し出ても、その月の末日ではなく、翌々月の末日まで契約が続きます。締め日の関係でタイミングによっては最長で2ヶ月と数週間分の料金が発生します。
解約する前に確認したいこと
- 年間プランを利用中の場合、残月分の返金はない旨が解約FAQに明記されています。年払いのタイミングでは、次回更新日を確認してから解約時期を決めるのが安全です
- 一度発行されたFAX番号 (電話番号) は解約後に再発行されない仕様です。将来的に同じ番号で再契約したい場合、この点は取り返しがつきません
- 必要な送信レポートは、解約後にWeb管理画面へログインできなくなる可能性があるため、事前にダウンロードして手元に保存しておくのが安全です
- 購入したアダプター機器は解約後の扱いが物件として残るため、返却や処分の条件は契約書面で確認しておきます
解約成立日は「申請の2ヶ月後」で固定されており、即日解約や中途解約は受け付けられないため、料金負担を最小化するには翌月ではなく翌々月分までを織り込んで解約時期を計画する必要があります。
03FAX (03plus) が向いている使い方
03FAXが候補として挙がるのは、すでに03plusのIP電話サービスを使っている、または近い将来に導入予定の事業者で、電話とFAXを同一の管理画面・請求で運用したい方です。IP電話番号としての03始まりの番号がそのままFAX番号として使える構造は、取引先への表記上の信頼性が重要な業務にとって実利があります。送信量が月に100枚以上で継続する業務であれば、500ページ送信バンドル (¥1,000/月) を追加した構成のほうが1枚あたりの単価は抑えられます。
一方で、今回1回だけ送りたいケースでは、初期費用と月額の固定費に加えて2ヶ月の解約成立期間を負担する契約構造は重すぎます。月に数枚しか送らない用途でも、送信していない期間もBasic IDとFAX番号の月額¥1,280が固定費として発生するため、実質単価は押し上がります。将来的にFAX利用を止める可能性がある業務も、2ヶ月の解約期間・年間プランの返金なし・番号の再発行なしの3点セットが辞めるときに効いてくるため、契約前に慎重に見積もっておく価値があります。
代替候補
PayPerFax は、使うときだけ支払う一回だけの利用に向くサービスです。登録なしでブラウザから直接送信でき、送達確認ができた送信のみ課金、130以上の国と地域に対応します。月額の固定費や解約手続きの負担がない構造です。
法人向けで月額を持たない選択肢としては、NTTコミュニケーションズのBizFAX スマートキャストがあります。事業者向けの完全従量課金 (月額¥0) で、NTT請求と社内会計との親和性を優先する用途に合います。ただし、契約構造そのものは法人契約の書面ベースになるため、導入時の事務手続きは相応に発生します。
個人・小規模事業者の少量送信であれば、秒速FAX (Toones) の送信専用SKUが選択肢になります。月額¥0で前払いポイント制のため、月に数枚から10枚程度の国内送信を継続する用途に向きます。前払いポイントの返金が受けられない点は事前に確認しておく形になります。
03FAX (03plus) と PayPerFax の比較
| 03FAX (03plus) | PayPerFax | |
|---|---|---|
| 料金モデル | 月額 (IP電話サービスの付帯) | 送信のつど支払い (登録不要) |
| 初期費用 | ¥5,000 (Basic ID) | なし |
| 月額基本料 | ¥1,280〜 (Basic ID¥900 + FAX番号¥380) | なし |
| 1通あたり (国内) | ¥40〜¥80 / 枚 (30秒単位の従量課金) | $2 |
| 海外送信 | 料金ページに公開なし | 130以上の国・地域で個別公開 |
| 送信失敗時 | 料金ページに明示なし (要問合せ) | 送達確認できた送信のみ課金 |
| 解約時 | 申請の2ヶ月後成立、年間プラン返金なし、番号再発行なし | 契約自体がないため解約手続き不要 |
料金の枚数ベースでは、月に100枚以上を継続的に送るなら500ページバンドルを含めた03FAXの構成にも合理性があります。違いが出るのは、月に数枚以下の少量送信・単発送信・海外送信、そして「辞めるとき」の柔軟性の部分です。
よくある質問
03FAX (03plus) は安全ですか?
03FAXを提供する03plusは株式会社グラントンが運営するIP電話サービスで、Webページの通信はHTTPS (SSL) で暗号化されています。Google Safe Browsingなど大手のブラウザ標準の安全性スキャンで警告が出るサイトではありません。IP電話サービスの契約に紐づいて法人情報・クレジットカード情報を登録する形になるため、パスワード管理と2段階認証の有無は登録時に自分側の設定として確認しておくと安心です。医療分野固有のHIPAA / BAAといった枠組みは、日本国内利用では基本的に対象外ですが、代わりに個人情報保護法 (令和2年改正) の観点での取り扱いは事前に確認しておく価値があります。FAX通信そのものの盗聴リスクについては、インターネットFAXとメールの安全性の違いの解説も参考にしてください。
03plusの契約なしで03FAXだけを使えますか?
03FAXは03plusのIP電話サービスに付帯するオプション機能として提供されています。IP電話の基本ID (¥900 / 月) の契約が前提となるため、03FAX単体だけを月額¥380で契約するという形にはなりません。FAX機能だけを使いたい場合は、単体で提供されているオンラインFAXサービス、または送信のつど支払うPayPerFax のほうが契約構造としては合致します。
送信は30秒単位で課金されるとのことですが、1枚あたりの実額はどのくらいですか?
A4 1枚を国内へ送信する場合、回線状態と紙面の情報量で送信時間が変わりますが、目安として1〜2分 (2〜4 × 30秒) がかかることが多く、¥20 × 2〜4 = ¥40〜¥80の範囲になるのが一般的です。表や画像が多い原稿は送信時間が長くなるため、1枚あたりの単価も上振れします。定額で1枚あたりの単価を固定したい場合は、500ページ送信バンドル (¥1,000 / 月) の追加、または1通ごとの金額が事前に確定するサービスを検討する形になります。
解約はWebだけで完結しますか?
管理画面の解約申請フォームから受付が可能です。ただし、03plus解約FAQに記載のとおり、解約成立日は申請から2ヶ月後 (月末締め) となるため、申請日から解約完了までは2ヶ月分の月額料金が継続して発生します。即日解約や翌月末解約は受け付けられていない仕様です。
解約後に同じFAX番号でもう一度契約できますか?
いいえ、解約後は同じFAX番号 (電話番号) を再発行できない仕様が公式FAQに明記されています。取引先に周知している番号を継続したい場合、この点は取り返しがつかないため、解約前に代替番号の運用方法をあわせて検討する必要があります。

